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    ★ kyokyonetが綴る"トルニタラナイ"あれこれ ★
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写真は文春文庫版(2006)


僕が横山秀夫を読み始める契機となるのは
テレビの『陰の季節』の二渡警視(上川隆也)
ですかね。あの番組は結構好きで。

このクライマーズ・ハイもテレビでみた。
(悠木役は佐藤浩市)

直木賞とは訣別宣言のある彼ですが
(まぁ、素人には評価しがたい理由でしたが)
スゴイ面白いと思うのです。

クライマーズ・ハイは、かの御巣高山の日航機墜落事件への
報道を行う現場を主たる舞台としながら、
上司と部下との板ばさみ、報道の意味と真実、親子関係と
どれとも替えがたい葛藤を一手に抱えた悠木和雅を描く。

書評なんて大した行為はできませんので
あしからず。

ランナーズ・ハイという言葉があるように、
人には苛酷なストレス状況を苦としない
むしろ快楽とする領域が存在する。

クライマーズ・ハイになると、解けたときが怖いという。
降りることができなくなるという。

悠木を山へ誘った同僚は、
「降りるために登る」と言った。
そして、その彼は降りることを許されなかったのかもしれない。

自分の位置が明確に認識できたときの、その次の行動は?


横山秀夫は上毛新聞の記者でした。
これは、その頃の話を紡いだものと聞きます。
北関東新聞が上毛新聞に当たるとか何とか。

いったい全体なにが一番良いことなのか
とても悩まされるお話です。
報道は時に「新鮮さ」こそがウリになる。

報道とは何か、真実は何か。
優先されるべきものは何か。

登るべき壁とは何か。
それは降りられるものか。

人が全速力で駆け抜けるときの意味を
もう一度考えたくなる話を読んだと思いました。

冷静になったとき、熱中状況を支えてくれていものを
きちんと労うことができるだろうか。
また、熱中しながら冷静で居られるものだろうか。

また、結果は必ずしも伴わない。
いや、伴ってもらわねば困るし、
伴うようにするのも重要なのだが
時にその障壁は崩せないものであるかもしれない。

降りる勇気とは何か。その判断の礎にあるものとは何か。
全力で駆け抜ける中で、はたと立ち止まることは
はっきり言って怖いだろう。
それでも降りなければ死する覚悟を必要とするかもしれない。

そこまでわかっていながら、
人は、「ハイ」に入っていくことを
自在にはコントロールできないだろう。

生きる中には、そういう時間が存在するものだ。
駆け抜けるアクセルも立ち止まるブレーキも
きっと人が生きる上では同じ力によるものだ。
ただ生き抜いていくという原動力によるもの。

だとすれば、日常の一分一秒すら貴重な時間であることがわかる。
無為にすぎていく時間が多いこの世の中、
改めて自分が生きていく場をみつめなおす必要はあるだろうな。

まだ、壁を登っても居ない奴が言えた話ではないかもしれないけれどね。

以上、駄文ながら感想でした。
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